WordPressの管理画面を見ていると「自動更新を有効化」というリンクをあちこちで見かけませんか?プラグイン一覧にもあるし、テーマ一覧にもあるし、更新画面にも自動更新の説明がある……。「結局、自動更新って何がどこまで自動になってるの?」と感じたことがある方は多いはずです。
実はWordPressの自動アップデートは、ひとまとめの機能ではなく4つの種類に分かれています。それぞれ役割も、デフォルトのON/OFFも違います。今回は、この4種類の自動更新の違いと、安全に使うための設定方法をわかりやすく整理します。
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WordPressの自動更新、4つの種類
①コア(本体)の自動更新
WordPress本体そのものの更新です。さらに細かく3段階に分かれています。
- 開発版更新:ベータ版やRC版を使っているサイト向け。通常の運用サイトには関係ありません。
- マイナー更新:たとえば6.7.1→6.7.2のような、セキュリティ修正やバグ修正が中心の更新。
- メジャー更新:たとえば6.7→6.8のような、新機能を含む大きな更新。※「6.8」など2つの数字部がメジャーバージョンを指す
このうちマイナー更新だけは、WordPressをインストールした時点で自動的に有効になっています。セキュリティに関わる部分なので、基本的にはそのままにしておくことが推奨されています。一方でメジャー更新は自動では実行されず、管理画面から手動で「今すぐ更新」を押すか、オプトインで自動化するかを選ぶ形になっています。
②プラグインの自動更新
プラグインごとに自動更新のON/OFFを個別に選べる機能です。WordPress 5.5以降、プラグイン一覧画面の各プラグインの行に「自動更新を有効化」というリンクが表示されるようになりました。ここをクリックするだけで、そのプラグインだけを自動更新の対象にできます。
デフォルトではすべてのプラグインが自動更新OFFの状態です。サイト運営者が個別に選んで有効化する「オプトイン方式」になっています。
③テーマの自動更新
プラグインと同じ仕組みが、外観 → テーマの画面にも用意されています。テーマ一覧の各テーマに「自動更新を有効化」のリンクがあり、テーマごとに個別にON/OFFを切り替えられます。こちらもデフォルトはOFFです。
④翻訳ファイルの自動更新
WordPress本体やプラグイン、テーマの言語ファイル(日本語化データなど)を最新の状態に保つための更新です。表示に直結する部分なので、こちらもデフォルトで自動更新が有効になっています。普段はほとんど意識する必要のない機能です。
デフォルトで有効なのはどれ?
整理すると、初期状態でONになっているのは次の2つだけです。
- コアのマイナー更新(セキュリティ・不具合修正)
- 翻訳ファイルの更新
逆に、コアのメジャー更新、プラグイン、テーマの自動更新はすべて初期状態ではOFFで、サイト運営者が必要に応じて個別に有効化する仕組みです。
ON/OFFの切り替え方法
基本的な切り替えは、管理画面の操作だけで完結します。
- コアの更新:「ダッシュボード」→「更新」画面で、自動更新に関する案内と設定リンクが表示されます。
- プラグインの更新:「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」で、各プラグインの行にある「自動更新を有効化/無効化」をクリックします。
- テーマの更新:「外観」→「テーマ」で、各テーマの詳細を開くと同様のリンクがあります。
より細かく制御したい場合は、wp-config.phpに定数を追記する方法もあります。たとえば次のように書くと、コアの自動更新をマイナー更新のみに固定できます。
define( 'WP_AUTO_UPDATE_CORE', 'minor' );逆にすべての自動更新を止めたい場合は、次の定数を追加します。
define( 'AUTOMATIC_UPDATER_DISABLED', true );ただし、これは緊急のセキュリティ修正まで止めてしまう設定なので、基本的には推奨されていません。特別な事情がない限り、管理画面からの個別設定にとどめておくのが安全です。
自動更新のメリット
- セキュリティ修正が即座に反映され、脆弱性を突かれるリスクを減らせる
- 更新作業に毎回時間を取られなくて済む
- WordPress 6.6以降は、プラグイン更新が失敗した場合に自動で元のバージョンへロールバックする仕組みが備わっており、更新失敗によるサイト停止のリスクも下がっている
自動更新の注意点
- プラグインやテーマの相性によっては、更新後に表示崩れや機能不全が起きることがある
- 複数のプラグインを同時に自動更新していると、不具合が起きた際に「どの更新が原因か」を特定しにくい
- 本番環境でいきなり自動更新を有効にすると、気づかないうちにサイトが不安定になっているケースもある
おすすめの運用方針
すべてを自動化するのではなく、更新の種類によってメリハリをつけるのが現実的です。
- コアのマイナー更新・翻訳ファイルの更新はデフォルトのまま自動でOK
- プラグイン・テーマは、開発が活発で信頼できるもの、かつサイトの表示に大きく影響しないものから自動更新を有効化していく
- サイトの根幹に関わる重要なプラグイン(決済・フォーム・キャッシュ系など)は、自動更新をOFFにして手動で確認しながら更新する
- 可能であれば、更新前にステージング環境で動作確認する
当社の運用方針
ここまでの内容を踏まえて、当社では実際のサイト運用について次のような方針で対応しています。
- 保守契約をいただいている場合:自動更新には頼らず、更新内容を確認したうえで基本的に手動でバージョンアップを行っています。更新前後の動作確認まで含めて、当社側で責任を持って対応します。
- 保守契約をいただいていない場合:納品の時点で、セキュリティに関わる更新(コアのマイナー更新など)は自動で有効な状態にしてお渡ししていますが、コア本体・プラグイン・テーマの自動更新は行いません。更新によって表示崩れや不具合が起きても気づかれにくいため、あえて自動更新は行わない方針です。
- お客様ご自身でバージョンアップをされた場合:更新内容や組み合わせによっては、当社が把握していない状態でサイトが変化してしまうため、その後の保守をお断りさせていただく場合があります。バージョンアップをご希望の際は、事前にご相談いただけますようお願いいたします。
まとめ
WordPressの自動アップデートは「コア(開発版・マイナー・メジャー)」「プラグイン」「テーマ」「翻訳ファイル」の4種類に分かれており、デフォルトで有効なのはコアのマイナー更新と翻訳ファイルのみです。それぞれ管理画面から個別にON/OFFを切り替えられるので、サイトの重要度や使っているプラグインの安定性に応じて、上手に使い分けていきましょう。保守契約の有無によって当社の対応方針も変わりますので、バージョンアップに不安がある場合はお気軽にご相談ください。