前編では、WordPressのリビジョン機能の基本的な使い方を解説しました。リビジョンは記事の編集ミスをすぐに取り消せる便利な機能ですが、実はそれだけでサイトの安全を守れるわけではありません。
後編では、HTMLで作られたサイトとの違いを比較しながら、WordPressサイト全体を守るためのバックアップの重要性について解説します。
> この記事は後編です。リビジョン機能の基本については前編をご覧ください。
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コラム:HTMLサイトにはリビジョンがない
WordPressのリビジョンは非常に便利ですが、HTMLファイルを直接編集して作るウェブサイトにはこのような仕組みがありません。HTMLファイルを上書き保存してしまえば、それ以前の内容は消えてしまいます。
そのためHTMLサイトでは、Gitによるバージョン管理が広く使われています。
Gitとは?
Gitは、ファイルの変更履歴を記録・管理できるツールです。WordPressのリビジョンに相当する機能を、HTMLやCSSなどあらゆるファイルに対して手動で実現できます。
主な操作イメージは次のとおりです。
bash
# 変更をステージング(記録の準備)
git add index.html
# 変更を記録(コミット)
git commit -m "トップページのコピーを修正"
# 過去の状態に戻す
git checkout abc1234 index.html
WordPressとの比較
| 項目 | WordPress(リビジョン) | HTMLサイト(Git) |
|---|---|---|
| バージョン管理 | 自動 | 手動(コミット操作が必要) |
| 管理対象 | 記事・固定ページの本文 | すべてのファイル |
| 差分の確認 | 管理画面のGUIで確認 | コマンドまたはGUIツールで確認 |
| 復元の手軽さ | ボタン1つ | コマンド操作が必要 |
| チーム開発 | 不向き | GitHubなどで共同管理しやすい |
WordPressはリビジョンが自動で取られるぶん手軽ですが、管理できるのは記事の本文だけです。テーマファイルやプラグインの変更を追いたい場合は、WordPressサイトでもGitを使う開発者は少なくありません。
リビジョンだけに頼らない!WordPress全体のバックアップも必須
リビジョンは記事の「巻き戻し」には非常に役立ちますが、サイト全体を守ることはできません。たとえば次のようなトラブルには対応できません。
– サーバー障害やデータの消失
– ハッキングや不正アクセスによるサイト改ざん
– プラグインやテーマの更新失敗によるサイト崩壊
– 誤ってサイト全体を削除してしまった
こうした最悪の事態に備えるために、WordPressサイト全体の定期バックアップが必要です。
バックアップに必要な2つのデータ
WordPressのサイトを完全に復元するには、以下の2つをセットでバックアップする必要があります。
① ファイル(サーバー上のデータ)
– WordPressのコアファイル
– テーマファイル(`/wp-content/themes/`)
– プラグインファイル(`/wp-content/plugins/`)
– アップロードした画像など(`/wp-content/uploads/`)
② データベース(MySQLのデータ)
– 記事・固定ページの本文
– カテゴリー・タグ・コメント
– サイトの設定情報
リビジョンが保存しているのもデータベースの中身ですが、データベースごと消えてしまったらリビジョンも消えます。ファイルとデータベースを両方バックアップしておくことが大切です。
バックアップの方法
プラグインを使う(初心者におすすめ)
初心者には、バックアップ専用プラグインの利用が最も簡単です。代表的なものを紹介します。
| プラグイン名 | 特徴 |
|---|---|
| UpdraftPlus | 無料・日本語対応。Googleドライブなどへの自動保存が可能 |
| BackWPup | 無料で高機能。スケジュール設定で定期自動バックアップが可能 |
| Duplicator | サイトの引っ越しにも使えるバックアップツール |
設定さえしてしまえば、あとは自動でバックアップを取り続けてくれるので非常に安心です。
サーバーのバックアップ機能を使う
レンタルサーバーの多くは、独自のバックアップ機能を提供しています。ただし、バックアップの保存期間や世代数はサーバーによって異なります。プラグインと合わせて二重に備えておくと安心です。
弊社のPaletteUP にもサーバーバックアップ機能があります。ボタン一つで簡単にバックアップをとることができるので、定期的に取ることをおすすめしています。
バックアップの保存先に注意
バックアップデータは、サイトとは別の場所に保存しましょう。同じサーバーにだけ保存していると、サーバーごとトラブルが起きたときに共倒れになってしまいます。
– Googleドライブ・Dropboxなどのクラウドストレージ
– 手元のPC(ローカル)
– 外付けHDDやUSBドライブ
バックアップの頻度の目安
| サイトの更新頻度 | 推奨バックアップ頻度 |
|---|---|
| 毎日更新 | 毎日 |
| 週数回更新 | 週1回以上 |
| 月数回更新 | 週1回〜月1回 |
| ほとんど更新しない | 月1回+プラグイン更新前後 |
プラグインやテーマを更新する前には、必ずその直前にバックアップを取る習慣をつけましょう。
まとめ
– HTMLサイトにはリビジョンがないため、Gitによるバージョン管理が必要
– リビジョンだけでは不十分。ファイル+データベースのサイト全体バックアップが必須
– バックアップはプラグイン(UpdraftPlusなど)を使って自動化・外部保存するのがベスト
「リビジョンで記事を守り、バックアップでサイト全体を守る」——この2段構えの意識を持つことが、安心・安全なWordPress運営の第一歩です!